◎要約:『不安を主とする疾患に対するエスシタロプラムとマインドフルネスの効果は、長期的にみると大きな違いはないかもしれない』

今回は、不安やうつ症状に対するマインドフルネス瞑想と抗うつ薬(エスシタロプラム、商品名:レクサプロ)の効果を比較した研究をご紹介します。
不安障害の治療におけるマインドフルネス瞑想とエスシタロプラム
Mindfulness Meditation vs Escitalopram for Treatment of Anxiety Disorders
Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial
一般地域に居住する不安を主な症状とする疾患(パニック障害、全般性不安障害、社交不安障害など)に罹患した276人(女性75%、平均33歳)が対象となりました。
対象者をマインドフルネス瞑想を行うグループとエスシタロプラム(用量10~20mg)を服用するグループにランダムに振り分けて、その効果を確認しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・両方のグループで不安症状の改善を認め、わずかに効果の差異を認めながらも、8週時点では明らかな差異はありませんでした。
・不安とうつの尺度において、4週時点ではエスシタロプラムで改善が大きくなっていましたが、8週時点では両グループの差異はありませんでした。
・副作用を経験した割合は、はエスシタロプラムで78.6%、マインドフルネスで15.4%となっていました。
中等度以上のうつ病や短期的な効果を重視する場合には、抗うつ薬による治療が有利である可能性があると思われますが、様々な病態における補助的な治療として取り入れたい選択肢であると思われました。
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