不登校では明らかなうつ症状を呈さない場合がほとんどですが、中には典型的なうつ病と思われる例を経験します。
今回は、不登校についてうつ病との関連を調べた複数の論文をまとめた結果(メタ・アナリシス)をご紹介します。
児童思春期のうつ病と出席減少との関連
8カ国(北米・ヨーロッパ・アジアを含む)から19本の論文が分析の対象となりました
学校への出席状況を、1)欠席全体 2)理由を伝えた欠席 3)無断欠席 4)登校拒否 に分けて、うつ病との関連を調べました。
結果として、不登校全体はうつ病との関連を示していました(わずか~中等度、関連を示す指数r=0.11)。しかし、時間の経過で結果を調べた研究はほとんどありませんでした。
つまり、“全体の不登校ではうつ病との関連がわずかにあるが、信頼性の高い研究は少ない”と言えそうです。
不登校の時に、一応うつ病(うつ状態)を鑑別の中に含めて考えますが、真っ先にうつ病(うつ状態)を考えるのは偏った方針を生じる可能性が高いと思われました。
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