不登校に対する薬物療法


不登校のうち、高度のうつ状態や不安を伴う場合に、向精神薬の処方が行われることがあります。


若年者に対して精神作用のある薬剤を投与することには、副作用・依存性に対する懸念など、多くの議論があります。


今回は、不登校に対する薬物療法について、複数の論文をまとめた分析(システマティック・レビュー)をご紹介します。


A Systematic Review of Pharmacologic Treatments for School Refusal Behavior

不登校の薬物治療に関する系統的文献調査(システマティック・レビュー)


不登校の薬物療法に関するランダム化比較試験6本とオープンラベルの試験1本(全体で306人の子どもを含む)が分析の対象となりました。


薬物療法として抗うつ薬(イミプラミン、クロミプラミン、フルオキセチン)やベンゾジアゼピン系抗不安薬(アルプラゾラム)に関するものがありましたが、いずれも偽薬に対して明らかな有効性を認めたものはありませんでした。


現在多く用いられている抗うつ薬等を含んでおらず、現在の臨床実践との適合性や薬剤のバリエーションに乏しいのと、研究計画も信頼性が低いため、これをもって不登校に対する薬物療法が無効と判断するのは早計と思われました。


しかし、いずれにせよ若年者への薬物療法開始については心理的・環境的な要因を考慮した上で、慎重に行う必要があると考えられます。



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