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不眠と客観的・主観的認知能力との関連

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

睡眠障害が認知機能低下の前兆として現れることが指摘されてきました。


今回は、不眠と客観的・主観的認知障害がどのように関連しているのか調べた研究をご紹介します。


主観的認知能力と客観的認知能力逆説的関係: 睡眠の役割


50歳以上の成人に睡眠尺度(Pittsburgh Sleep Quality Index)、主観的・客観的認知機能検査(Cognitive Failures Questionnaire 、Stroop, Sternberg, and Posner cueing)を行いました。


主観的認知能力(自分で物忘れ等の認知能力を実感する程度)と客観的認知能力(実際に課題を行ってどのくらい能力が低下しているか)の関係、そこにおける睡眠障害の影響について調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・ストループテストという課題の反応速度が速い場合(客観的認知能力としては高い評価の場合)の方が、物忘れの訴えは多くなっていました。


・睡眠障害が高度の場合に、客観的認知能力の高さと物忘れの訴えの多さ(主観的認知能力の低さ)が関連していました。


・別の課題(Sternberg performance )においても、同様に睡眠障害が強い場合に、客観的認知能力の高さと物忘れの訴えの多さ(主観的認知能力の低さ)が関連していました。


要約: 『睡眠障害が強い場合に、客観的認知能力と主観的認知能力が逆説的関係(客観的認知能力が高いほうが主観的認知能力の低下を感じるという関係)を示す』


睡眠障害が強い場合には、自分が実際にどのくらい客観的に課題がこなせるのか分からなくなり、主観と客観とのずれが生じるのかもしれないとの議論がされていますが、実際のところは解釈の難しい結果であると思われました。


もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

rTMS治療:

YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ


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