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不眠に対する経頭蓋交流電気刺激の有効性


◎要約:『交流による電気刺激は不眠の改善に有効で、特に高齢者において効果が高い可能性がある』


磁気や電流による物理的刺激のうつ症状や認知能力低下に対する有効性が指摘されてきました。


今回は、特に慢性の睡眠障害に対して交流の電気刺激( transcranial alternating current stimulation: 以下、tACSと表記)の効果を調べた研究をご紹介します。


Efficacy of transcranial alternating current stimulation in treating chronic insomnia and the impact of age on its effectiveness: A multisite randomized, double-blind, parallel-group, placebo-controlled study

慢性の不眠に対する経頭蓋交流電気刺激の有効性と年齢の有効性への影響


慢性の不眠がある120人が対象となり、電気刺激と偽刺激を行うグループに分けました。


電気刺激を行うグループには、1回40分、頭蓋を介した電気刺激を4週間(合計で20回)行い、睡眠の質や睡眠時間を比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。


・電気刺激を行った場合のほうが、睡眠の質(有効性)、合計睡眠時間、生活への支障の程度が改善していました。


・全体の臨床的な評価は改善していましたが、うつや不安は改善していませんでした。


・特に高齢者のグループにおいて、睡眠の質(有効性)、全体の不眠の改善が大きくなっていました。




睡眠薬を使用した場合の、傾眠・転倒・せん妄等のリスクを考えると、物理的な刺激による方法のメリットは大きいと思われました。

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