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中等症以上のうつ病に心理療法を追加しても大きな効果はないかもしれない


通常、うつ病の治療として薬物療法に何らかの心理療法(最も研究されているのは、認知行動療法)を加える方が、治療効果が大きいと指摘されてきました。


今回は、ヨーロッパの多施設を対象として、うつ病に対する心理療法追加の効果を検討した研究をご紹介します。


薬物療法と心理療法の組み合わせはうつ病治療においてより良い治療効果と関連しない


ヨーロッパの8カ国(10施設)からのデータを元にした研究で、最終的には1,279人の治療効果が分析に含まれました。


うつ病の尺度としてよく使用される2つの尺度(Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale, Hamilton Depression Rating Scale)が用いられ、薬物療法単独と心理療法(認知行動療法、精神分析等)を併用したときの治療効果を比較しています。


結果として以下の内容が示されました。

①全体の68.8%は薬物療法のみ、31.2%が何らかの心理療法を併用していました。

②22.8%が認知行動療法、3.4%が精神分析を受けていました。

③心理療法の追加と関連している特徴として、低い発症年齢、現在の症状が軽いこと、自殺のリスクが低いこと、メランコリー型の性質を備えていること、片頭痛や喘息を伴っていること、通常第一選択の抗うつ薬の使用頻度が低く、アゴメラチン・ボルチオキセチンの使用が多いことがありました。反対に、薬物療法のみの場合には、精神病症状を伴っていること、第一選択のSSRI(selective serotonin reuptake inhibitor)の使用頻度が高いことがありました。

④薬物療法単独と心理療法を併用した場合とで治療の効果に明らかな違いはありませんでした。

⑤心理療法の種類(認知行動療法とそれ以外との比較)でも治療の効果に明らかな違いはありませんでした。


つまり、“うつ病に対して、薬物のみの治療と心理療法を加えた場合では、現実社会における背景に大きな違いがあり、単純に効果を比較してもはっきりとした違いが分からない”と言えそうです。


背景が多様な実社会では、今まで言われてきたような効果の違いを証明することが難しいのかもしれません。




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