仕事のストレスが増えれば、精神疾患は増えそうだし、それを理由とした病休も増えそうだ……通常そのように考えられると思います。
率直な意見としては、仕事をすること自体が大きなストレスかもしれません。また、ストレスにも様々な要素が考えられます。
仕事のどのような要素がどのくらい精神疾患を理由とした病休に影響するのか、そのような疑問に答えようとした分析(メタ・アナリシス)をご紹介させてください。
Psychosocial Stressors at Work and the Risk of Sickness Absence Due to a Diagnosed Mental Disorder A Systematic Review and Meta-analysis
仕事における心理社会的ストレスと精神疾患を理由とした病休リスクとの関連
一つ以上の仕事における心理社会的ストレスと精神疾患に由来する病気休暇との関連を調べた論文を系統的に検索しました。
最終的に13の研究(130,056人の参加者)が分析に含まれ、病休のリスクを上昇させる要因として以下のような結果(数字はその種のストレスがない場合と比較した相対的なリスク)が示されました。
①低報酬:1.76 ②労力/報酬のアンバランス:1.66 ③過剰な緊張:1.47 ④低自由度:1.25 ⑤心理社会的高い要求度:1.23
結果をみると、報酬に関する納得感が、病休に結びつくようなストレスに大きく影響していそうです。
治療に当たる際には、(仕事などの)環境のうち何が最もストレスの要因になっているのか、丁寧に聴取することが重要であると思われました。
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