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仮想現実(VR)は広場恐怖の治療に有効である


恐怖や不安が強く、人がいる場所への外出や交通機関・店舗の利用などに支障を来す疾患(症状)を“広場恐怖(アゴラフォビア)”と言います。


今回は、精神病を合併した広場恐怖の患者で、仮想現実(VR)を用いた治療が有効なのか調べた研究をご紹介します。


精神病を合併した広場恐怖による回避や不快に対する自動仮想現実療法


精神病性疾患を合併した広場恐怖の患者346人(平均37.2歳)が研究の対象となりました。


上記の対象者のうち174人には通常の治療に追加して仮想現実療法(gameChage ※メーカーサイト)をおよそ週1回30分 計6回行い、172人には通常の治療のみを行いました。


仮想現実療法は家庭やセラピストのいる場所で行われ、苦手な場面(例:カフェ、待合室、パブ、居酒屋等)から選んで、負担の強度(その場面にいる人の混み具合)を調整して行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

①広場恐怖を評価する質問票(Oxford Agoraphobic Avoidance Scale)で、平均得点が回避症状で-0.47点、不快さで-4.33点となっていました。

②上記の改善は、行動の量で考えるとショッピングセンター等に行く行動が1.5回増えたことを意味します。


つまり、“仮想現実療法は精神病を伴う広場恐怖で、実際に行動を増やすような症状改善をもたらす可能性がある”ということです。


精神病性疾患を伴う場合が対象となっており、今後より広い範囲で適用可能なのか等の検討は必要だと思われますが、実際に行動療法をするよりはハードルが低く、実施しやすい方法であると感じました。





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