
“笑気ガス”として知られている亜酸化窒素の薬物抵抗性うつ病に対する効果は以前より指摘されていました。
しかし、50%亜酸化窒素は鎮静や吐気・軽度の解離を含む副作用が多いことが知られています。
今回はもっと低濃度の25%亜酸化窒素の有効性と副作用について調べた研究についてご紹介します。
治療抵抗性うつ病に対する亜酸化窒素吸入の第2相試験
治療抵抗性うつ病の患者24人を50%亜酸化窒素、25%亜酸化窒素、偽薬の3グループに振り分け、1ヶ月毎にローテーションを行いました。
1回1時間だけの吸入を行い、その後うつ病の尺度: Hamilton Depression Rating Scale (HDRS-21)を用いて、効果を確認しました。
結果として、以下の内容が示されました。
①25%亜酸化窒素も、50%亜酸化窒素と治療抵抗性うつ病に対するほぼ同等の有効性を持っていました。(2週間後の偽薬に対するうつ病尺度の点数比較で、-5.19 VS -7.00)
②25%亜酸化窒素の方が50%の場合よりも、鎮静などの副作用が明らかに少なくなっていました。
つまり、“亜酸化窒素による治療抵抗性うつ病の治療は濃度をさげることによって効果は大きく低下せず、副作用を少なくできる”可能性が示されました。
今後の臨床試験の結果によって、治療抵抗性うつ病に対する有力な選択肢となることが期待される内容でした。
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