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低用量の抗精神病薬投与でも、メタボリック関連の死亡が増えるか?


抗精神病薬は統合失調症のような精神病性の疾患以外にも、強い不眠や不安等の精神症状に対して用いられることがあります。


このような使用も含めて、比較的少ない量の抗精神病薬でも、循環やメタボリック関連の死亡が増えるのでしょうか?


オランザピンやクエチアピンの適応外低用量と循環代謝関連の死亡との関連


スウェーデンの疾患登録を用いた研究で、精神病性疾患・双極性感情障害・糖尿病などの代謝性疾患のない428,525人が対象となりました。


抗精神病薬の中でも、比較的体重増加や血糖の上昇等、代謝への影響が大きいものとしてオランザピンやクエチアピンが知られています。

今回は、このオランザピンやクエチアピン投与がされている場合について、投与がない場合と比較して、代謝性疾患が関連すると思われる死亡がどのように異なるのか調べました。


平均10.5年の経過観察で、以下の内容が分かりました。

①6ヶ月未満の投与では死亡率は低下していました(ハザード比0.56)。

②しかし、その後6~12ヶ月の投与では死亡率の上昇を認めました(ハザード比1.89)。

③12ヶ月以上の投与では、死亡率の上昇は明らかではありませんでした。


つまり、“オランザピンやクエチアピンの投与は投与期間によっても異なるが、わずかに代謝性疾患による死亡率を上昇させるかもしれない”ということです。


オランザピンやクエチアピンは不眠や不安(不穏)にも有効性が高く、適応外の使用が多くなっている薬剤ですが、身体面の影響に対しても慎重になる必要性を感じました。

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