腸内の細菌は脳に作用する様々な化学物質を産生しており、腸内細菌叢の乱れと認知症との関連が指摘されることがあります。
今回は、便秘薬の習慣的な使用と認知症リスクとの関連について調べた研究をご紹介します。
Association Between Regular Laxative Use and Incident Dementia in UK Biobank Participants
便秘薬の習慣的使用と認知症との関連
イギリスの大規模データ(UK Biobank)を元にした研究で、502,229人(平均56.5歳、54.4%が女性)が対象となりました。
平均9.8年の経過観察で、自己申告による便秘薬(下剤)の使用と様々な原因による認知症リスクとの関連を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・習慣的な便秘薬使用がある場合のリスクは、認知症(すべての原因)1.51倍、血管性1.65倍、アルツハイマー型認知症1.05倍(差異は明らかではない)となっていました。
・便秘薬の数と認知症全般、血管性認知症のリスクは関連を示していました。
・便秘薬の種類については、浸透圧性下剤(酸化マグネシウム等)が認知症全般のリスクと関連していました。
要約:『習慣的な便秘薬の使用は、認知症リスクと関連しており、リスクの程度は認知症や便秘薬の数・種類でも異なっている』
副作用が少ないとされている浸透圧性の下剤でも、認知症リスクの観点からは影響がある点について、今後の研究結果を知りたいと感じる内容でした。
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