一部の栄養素や物質の摂取と子どもの精神状態について、いくつかの指摘がありますが、全体的な食事内容の健康度との関連はよく分かっていません。
今回は、食事の健康度を測る尺度 Healthy Dietary Adherence Score (HDAS)と子どもの精神状態との関連を調べた研究をご紹介します。
Bidirectional associations between psychosocial well-being and adherence to healthy dietary guidelines in European children: prospective findings from the IDEFICS study
子どもの精神状態と食事の健康度についての双方向的関連
2~9歳の7,675人が対象となり、2007~2008年で1回目、2年後に2回めの調査が行われました。
子どもの精神状態については、自尊心や両親との関係についてKIDL、友人との関係などについて Strengths and Difficulties Questionnaireという尺度が用いられ、上述の食事の健康度を示す尺度(43の食事品目の摂取状況から評価)との関連を検討しました。
結果として、以下の内容が示されました。
・HDASによる食事内容の基準に沿っているほど、自尊心が高く、感情面や友人との関係で問題が少ないことが示されました(例:HDASで高評価→高い自尊心のオッズ比が1.2倍)。
・逆に、自尊心が高い場合には2年後のHDASが高評価になる傾向がありました(オッズ比1.1倍)。
要約:『子どもにおいて、健康的な食事→良い精神状態、良い精神状態→健康的な食事という双方向の関係があるかもしれない』
比較的、母集団の数が大きく、僅かな差でも有意と捉えられているので、これが実際どのくらい生活上の差として実感できるかは分かりません。
しかし、野菜や果実を多く摂取し、ファーストフードや菓子類を少なくする等の工夫は何らかのかたちで精神状態に好影響を与える可能性が考えられました。
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