高血圧等の循環器系のリスクが認知症の発症と関連することはよく知られています。
今回は、大動脈の石灰化の評価で他の循環器系のリスクには影響を受けずに、認知症発症を予測できるのか調べた研究をご紹介します。
高齢女性における、骨密度測定の際に撮影された脊椎側面像による腹部大動脈石灰化と認知症リスク
地域に住む70歳以上の女性(平均75歳)958人が対象となりました。
骨密度測定に用いられる側方からの脊椎画像を用いて腹部大動脈の石灰化を評価し、軽度・中等度・重度の分類を行いました。
その後の認知症発症と腹部大動脈の石灰の程度について関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①認知症関連での入院が、腹部大動脈石灰化の程度が軽度の場合9.3%、中等度15.5%、重度18.3%となっていました。
②これを他の循環器疾患のリスクや認知症遺伝子の有無で調整すると、腹部大動脈石灰化が中等度・重度の場合は、軽度に比較して認知症関連入院のリスクが2倍程度となっていました(中等度2.03倍、重度2.10倍)。
つまり、“骨密度測定の方法で大動脈の石灰化を評価することで、その後の認知症リスクの参考となるかも知れない”と言えそうです。
骨密度の測定は現在しばしば行われているので、同じ画像で参考となる認知症予測データが得られると費用対効果の高い方法となる可能性を感じました。
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#骨密度
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