偽薬は患者さんがそれを知っていても効果がある


睡眠薬や鎮痛薬の投与に関して、特に身体的副作用が懸念される時、本当の薬ではなく、偽薬の投与が検討される場合があります。


しかし、これは患者さんを騙す行為であり、いくら体のことを考えた上であるとは言え、正当化されるのか?……などの多くの問題を含んでいます。


今回は、慢性の腰痛に対して、偽薬であることを患者さんに伝えた上で、通常の治療薬に追加した場合の効果を調べた研究をご紹介します。


Open-label placebo treatment in chronic low back pain: a randomized controlled trial

腰痛に対する情報を開示した状態での偽薬治療


97人の腰痛患者を通常の治療のみと、通常の治療+偽薬(偽薬であることを説明)のグループに振り分け、3週間の効果を調べました。


痛みの程度を示す指標 Numeric Rating Scalesと、日常生活の障害の程度を示すRoland–Morris Disability Questionnaireを用いて、痛みと障害の両面から効果を評価しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①偽薬であることを説明した上であっても、偽薬を加えたほうが通常の治療のみよりも、あきらかに大きな効果(痛みと障害の両面)を認めた。(痛みの改善の平均は、偽薬を加えたほうが1.5点、通常の治療のみでは0.2点)

②確認のために、後から通常の治療のみから偽薬を加えた場合でも、痛みや障害の程度に関する効果が大きくなった。(特に障害の程度の改善が大きかった)


つまり、“患者さんを騙さずに偽薬であることを説明していても、飲む薬があるというだけで痛みは軽くなり、できることが多くなる”ということです。


説明した上でも偽薬の投与は問題がありそうな気もしますが、何らかの対処(人間の脳のしくみから考えれば有効な対処)が存在するだけでも、有益であるのかもしれません。



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