◎要約:『光への暴露が多い場合の方がうつ症状が少なくなっていたが、この関連は睡眠リズムの改善によるものかもしれない』
一部の睡眠障害やうつ病等に対して、高照度の光照射を行う光療法が有効であることがあります。
今回は、日常の光の暴露とうつ症状との関係に、睡眠リズムの改善が関与しているかどうかを調べた研究をご紹介します。
環境における高照度の光暴露、うつ症状、睡眠リズム
Environmental Bright Light Exposure, Depression Symptoms, and Sleep Regularity
アメリカにおける全国規模の調査: 2011-2014 National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES)を元にしており、妊娠状態ではない18歳以上の6,639人(平均49.41歳、52.2%女性)が対象となりました。
照度計で記録された光への暴露とうつ症状、睡眠リズムとの関連を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・高い照度の光に暴露される時間が長い方が、うつ症状は少なくなっていました。
・上記の関連は、睡眠リズムの違いを調整すると関連性が明らかではなくなりました。
・高い照度の光に暴露される時間が長い方が、睡眠リズムは良くなっていました。
・睡眠リズムが良い場合は、うつ症状が少なくなっていました。
・ビタミンDの高さは、光の暴露と関連していましたが、うつ症状とは関連していませんでした。
(論文中で述べられているように)戸外で過ごす時間などの随伴する要素があるので、単に光の暴露とうつ症状との関連を示しているのか分からない部分もありますが、光療法が有効である仕組みについて理解を促す内容でした。
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