気分の大きな変動が、動脈硬化や循環器疾患のリスクとなると指摘されることがあります。
今回は、血管内皮機能から、双極性障害と循環器疾患の関連を調べた研究をご紹介します。
Endothelial Function in Youth With Bipolar Disorder: Preliminary Evidence for Mood Polarity Differences
13~20歳の若年者209人(114人が双極性障害、95人が健常者対照群)が対象となりました。
双極性障害における血管内皮の機能を、その時の気分変動との関連も含め、reactive hyperemia index(RHI)という数値を用いて調べました。
※指尖脈波の変化を用いたreactive hyperemia index(RHI)は,1.67未満を血管内皮障害ありと判定している。
「日本人に適したreactive hyperemia indexの心血管イベント予測値を再考する」
結果として、以下の内容が示されました。
・双極性障害(うつ状態)ではRHIが低下していました。
・双極性障害(躁状態)では、双極性障害(中間状態)、双極性障害(うつ状態)、健常群よりもRHIが上昇していました。
・双極性障害の中では、躁状態の尺度とRHIの上昇が関連を示していました(循環器系のリスクを調整した後でも)。
要約:『双極性障害による大きな気分変動は血管内皮の機能と関連を持っている可能性がある』
双極性障害における動脈硬化や循環器疾患のリスク、寿命短縮のしくみの理解に役立つ可能性を感じる内容でした。
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