
最初のうつ状態の段階では、双極性障害と単極性のうつ病を見分けることが非常に難しいことが知られています。
今回は代謝物を網羅的に調べる手法(メタボロミクス)で、双極性障害と単極性のうつ病を見分けられないかを調べた研究をご紹介します。
Metabolomic Biomarker Signatures for Bipolar and Unipolar Depression
双極性/単極性うつに関するメタボロミクスによるバイオマーカー発見
2018~2020年に行われたイギリスの研究データ(Delta study)を 元にしており、241人(平均28.1歳、70.5%が女性、後に双極性と分かったのが27.8%、単極性のうつ病と分かったのが72.2%)が対象となりました。
乾燥した血痕から、網羅的に代謝物質を調べ、その後の経過との関連性を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
・17種のバイオマーカー(体内の物質で状態を判断する尺度になるもの)に関するパネルで調べると、双極性と単極性の判別において中等度の正確さを示しました。
・特にceramide d18:0/24:1という物質が、高い判別能力を示していました。
・他の臨床的尺度(PHQ-9 やMood Disorder Questionnaireと言った質問尺度)を一緒に用いるとさらに、判別の能力は高くなっていました。
要約:『双極性と単極性の判断に、血液中のバイオマーカーが参考になるかもしれない』
うつ病(状態)の双極性/単極性の鑑別について、血液検査の結果が参考となる可能性を感じる内容でした。
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