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反社会的行動と脳の構造的変化の関連


様々な性格的特徴によって脳の構造に相違があるのではないかと言われることがあります。


特に社会的規範からの逸脱や他者への権利侵害を繰り返す反社会的行動についてはいくつかの研究でその可能性が示されてきました。


今回は、特に反社会的行動を継続的に繰り返す場合の脳構造の相違について調べた研究をご紹介します。


持続性反社会的行動と脳構造の関連


ニュージーランド(ダニーディン)における研究で、地域に住む住民のうち1037人のMRI画像検査を行いました。


事前に7歳~26歳の行動について、本人と他者から情報を得て、反社会的行動についての聞き取りを行いました。


結果として、思春期だけではなく継続的に反社会的行動を認める場合には、平均的な脳の表面積と皮質の厚みが低下していました。一部では特徴的な変化として、遂行機能・感情制御・動機形成に関与すると言われる前頭/側頭葉の変化を認めていました。


反社会的な行動が思春期のみに出現するタイプでは脳の構造的変化は認めませんでした。


性格的特徴の全てというわけではありませんが、このように一部の持続的で明らかな行動パターンに関しては、粗大な脳構造の変化を認めるようです。


しかし、これによって反社会的行動が修正できる可能性について否定されるわけではなく、脳の機能的変化と構造的特徴を踏まえた上で対応を検討できるようになれば、より有効な介入の可能性があると思われました。

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