喫煙と神経変性の指標
- もりさわメンタルクリニック
- 2024年3月7日
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◎要約:『喫煙者では神経変性・炎症に関連するマーカーが高く、保護的因子の低い傾向があるかもしれない』

喫煙に関しては循環器疾患のリスクに関連することが良く知られていますが、脳の神経変性疾患(アルツハイマー病など)との関連も指摘されてきました。
今回は、喫煙と脊髄液中の神経変性・炎症・酸化を反映する物質の濃度との関連を調べた研究をご紹介します。
Association of Cigarette Smoking With Cerebrospinal Fluid Biomarkers of Neurodegeneration, Neuroinflammation, and Oxidation
喫煙と脊髄液中の神経変性・神経炎症・酸化の関連
喫煙者(少なくとも1日に10本、1年以上)87人と非喫煙者 104人が対象となりました。
喫煙以外の傾向として、非喫煙者は喫煙者に比較して若く、高学歴で、低BMI(体格指数)となっていました。
結果として、以下の内容が示されました。
・喫煙者ではアルツハイマー病の指標とされるアミロイド(Aβ42)や炎症の指標とされるTNFαが高い傾向がありました。
・喫煙者では神経再生の指標とされるBDNF( brain-derived neurotrophic factor)や生体防御の役割を果たすと言われるSOD( superoxide dismutase)やNOS( nitric oxide synthase)が低くなっていました。
喫煙に関して、循環器のみではなく様々な要因を介して脳に与える影響も大きいのではないかと考えられました。
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