以前から、認知機能が低下するとともに(あるいは前兆として)嗅覚の機能が低下することが指摘されてきました。
今回は、眠っている間に嗅覚を刺激することで脳の機能がどのように変化するのかを調べた研究をご紹介します。
Overnight olfactory enrichment using an odorant diffuser improves memory and modifies the uncinate fasciculus in older adults
夜間の嗅覚刺激で高齢者の記憶と鉤状束の機能を改善する
60~85歳の43人が対象となり、嗅覚刺激を行うグループと刺激しないグループに分けられました。
1週間毎に7種類毎晩異なる嗅覚刺激を2時間行い、最初と6か月後に神経心理学的検査と脳機能を調べるための画像検査(fMRI)を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・嗅覚刺激のあったグループでは対照グループに比較して、ある認知機能検査(Rey Auditory Verbal Learning Test)における226%の改善を認めました。
・脳の鉤状束と呼ばれる部分(前頭葉と側頭葉をつなぐ領域)の機能改善が画像で確認されました。
要約:『眠っている間の嗅覚刺激によって脳の機能の一部に改善を認めるかもしれない』
本人に負担が少ない方法で脳機能を改善できる選択肢として興味深いと思われました。
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