大気汚染の強い地域に住むことが循環器系の疾患や認知能力低下のリスクになることが以前から指摘されています。
今回は、比較的安全とされている大気汚染のレベルでも、脳の萎縮をもたらすのか調べた研究をご紹介します。
PM2.5とアルツハイマー病のリスク上昇に寄与する脳の灰白質萎縮の関連
1,365人の高齢女性(平均77.9歳)が研究の対象となりました。
研究の開始時と5年後について、居住する地域の大気汚染(PM2.5)とアルツハイマー病のリスクと関連する灰白質萎縮との関連を調べました。
結果として、当初は関連がはっきりしませんでしたが、5年間の経過観察では基準以下ではありながらも比較的大気汚染の強い地域に住んでいる場合の方が明らかに灰白質の萎縮が進んでいました。
そして、これは24%のアルツハイマー病発症リスクの上昇に相当すると考えられました。
この結果は社会経済的な影響などを調整した結果で、今のところ空気汚染レベルの影響が大きいのではないかと推測されます。
高齢になってからでも空気のきれいな地域に住むほうが、認知能力低下のリスクは下げられるのかもしれません。
#認知症
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