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境界性パーソナリティ障害(BPD)における自殺の危険因子


境界性パーソナリティ障害について、以前から自殺企図の多いことが指摘されてきました。


今回は、特に診断基準に沿って問診を行い、基準の項目のうちどのような要素が特に自殺に関連しているのか調べた研究をご紹介します。


境界性パーソナリティ障害の診断基準と自殺企図の関連


アメリカにおける多施設の研究で701人(4種のパーソナリティとうつ病でパーソナリティ障害の要素が少ないグループを含む)が調査の対象となりました。


境界性パーソナリティ障害の診断基準に沿った問診を行い、10年間追跡して調査しました。


結果として、診断基準の中でも以下の項目が自殺企図と関連していました。

①同一性の障害 identity disturbance(2.21倍)

②慢性的な空虚感 chronic feelings of emptiness(1.63倍)

③見捨てられることを避けようとするなりふり構わぬ努力(1.93倍)

※数字は経過観察の期間における自殺企図イベントのオッズ比


自殺の危険性を評価する時の一般的な尺度として、時や手段に関する具体性や持続性、準備にあたる行動等が挙げられますが、上記のようなパーソナリティ障害の診断項目も参考になるのかもしれません。


#パーソナリティ障害

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