
以前から大気汚染と心血管系の疾患や認知症との関連が指摘されてきました。
今回は、出生前の胎生期から老年にいたるまでの、大気汚染と知能低下との関連を調べた研究をご紹介します。
大気汚染暴露の経過と知能低下
イギリスにおける研究で、1936年に出生した572人が研究の対象となりました。
胎生期の1935年から老年期の2001年にわたる大気汚染暴露の経過と、11, 70, 76, 79歳の 知能との関連を調べました。
結果として以下の内容が示されました。
①胎生期の暴露のみが、知能低下(11~70歳)とわずかに関連していた。
②他の時期の暴露については知能との関連は明らかでなく、暴露の累積効果も認めなかった。
つまり、大気汚染が知能に影響を与える時期としては母親の胎内にいる時期が考えられるが、その効果はわずかであるという結果でした。
今回の結果では、大きな影響や長年大気汚染に暴露されることによる累積する影響が明らかではありませんでしたが、今後も検証が必要であると思われました。
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