ヨガ等のトレーニングを行うことがうつや不安の予防に役立つことが指摘されています。
今回は、太極拳をしている場合には、後悔の気持ちが生じにくくなるかも知れないという内容の研究をご紹介します。
太極拳を長期間行っている高齢者における後悔の減少と前頭-線条体の連絡強化
太極拳を長期間行っているグループでリスクを取る行動をしてもらい、その際の脳機能画像を調べました。
具体的には、複数の箱の中から選んで開けてもらい、報酬が出ることもあれば“デビル”が出ることもあるという内容です。“デビル”出るとそれまでに得られた報酬をなくしてしまうので、“デビル”を出さないようにより多くの報酬を得られるように試みるゲームと言えます。
最終的には、どの箱に報酬や“デビル”が含まれているか種明かしをするようになっており、これを見た時の後悔の反応を調べ、脳の働きもfMRIで確かめました。
結果として、太極拳を行っているグループでは後悔の気持ちが少なく、リスクをとる傾向が少なく、結果に対する反応も軽減していました。
また、脳の働きとしては前頭葉と線条体という脳の部位の連絡がより密になっていました。
つまり、太極拳を長期に行うことで、脳の連絡に変化が生じ、物事に動じなくなるかもしれません。
多くの随伴する要素(交絡因子)が考えられそうですが、このような可能性を考えることはトレーニングの効果を確認する端緒となり得ると思われました。
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