女性の方が男性よりもアルツハイマー病の発症リスクが高いことが分かっていますが、今回はこの性差について、複数の要素を調べて影響を検討した研究をご紹介します。
アルツハイマー病の性差を修飾する要因
40~65歳の認知機能は正常な121人(85人が女性)について、複数様式の画像検査、生活様式(喫煙、食事、運動、知的活動)、ホルモン(甲状腺、閉経)、医学的状態(うつ病、糖尿病、脂質異常症)等を調べ、認知症発症との関連について検討しました。
結果として以下の内容が示されました。
①女性では男性よりもアミロイド(アルツハイマー病の原因物質の一つ)の沈着が多く、脳の代謝が低下しており、脳の体積(灰白質)が小さくなっていました。
②これらの指標に影響を与える要因として、「閉経状態」に関する経過が最も大きな影響を与えていました。
つまり、閉経時期等の女性ホルモンに関連する状況が最も認知症発症に影響を与えており、女性のアルツハイマー病発症の多い理由の一つになっていると思われます。
今後、女性ホルモンの影響についてもっと明らかになれば、ホルモン療法が認知症予防の観点から行われる可能性も考えられました。
#認知症
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