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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

妊娠中のバルプロ酸使用による発達障害のリスク


以前から、妊娠中の抗けいれん薬(バルプロ酸ナトリウム等)は、胎児への影響を考えて、ベネフィット(治療の利益)とリスクとのバランスを検討するべきであると言われています。


今回は、自閉症スペクトラムやADHDとの関連について、大規模なデータで確認した結果をご紹介します。


妊娠中の抗けいれん薬使用とASD(自閉症スペクトラム)・ADHDのリスク


スウェーデンの大規模な疾患登録データ(1996~2011年に生まれた14,614人、2013年まで追跡)が用いられました。


抗けいれん薬(バルプロ酸、ラモトリギン、カルバマゼピン等)について、妊娠中の内服と出産した児の、ASD(自閉症スペクトラム)やADHD(注意欠陥多動障害)について関連を調べました。


結果として、以下の内容が示されました。

①バルプロ酸ナトリウムを妊娠中に内服していた場合は、ASD: 2.30倍、ADHD: 1.74倍のリスク上昇がありました。

②ラモトリギンについては影響はなく、カルバマゼピンについては影響は些少でした。


つまり、抗けいれん薬すべてというわけではなく、特にバルプロ酸ナトリウムの内服については発達障害のリスクを上げる可能性が考えられます。


妊娠中に抗けいれん薬を急に中止して、けいれん発作を起こした場合には胎児への影響も大きくなるので注意が必要ですが、同じ量と内容で内服を継続するか主治医と相談することが大切であると思われました。


#発達障害 #妊娠

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