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妊娠中の地中海式食事法とマインドフルネスストレス低減法の子どもの発達に与える効果

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック

◎要約:『妊娠中に行う地中海式食事法やマインドフルネスによる介入で、出産した児の発達を改善する効果があるかもしれない』





オリーブオイルや果実・野菜・ナッツ類等の摂取をすすめる地中海式食事法は、循環器疾患のリスクを低下させる等の身体的効果のほか、認知症の予防にも有効であることが知られています。


マインドフルネスは、(非常に大まかに言えば)瞑想などの方法により“今・ここ”に注意を向けることができる状態を意味し、精神状態の改善や疼痛の軽減等に有効であることが知られています。


今回は、妊娠中に行う地中海式食事法やマインドフルネスストレス低減法が、出産した子どもの発達にどのような影響を与えるのかを調べた研究をご紹介します。


Effect of a Mediterranean Diet or Mindfulness-Based Stress Reduction During Pregnancy on Child Neurodevelopment

A Prespecified Analysis of the IMPACT BCN Randomized Clinical Trial

妊娠中における地中海式食事法とマインドフルネスストレス低減法の子どもの発達に与える効果


妊娠19~23週の低出生体重児出産のリスクのある妊婦1,221人が対象となり、地中海式食事法を行うグループ、マインドフルネスを行うグループ、通常の診療を行うグループに分けられました。


地中海式食事法を行うグループでは、月ごとの個人・グループでの教育と無料のオリーブオイル、ナッツ類(くるみ)の提供がありました。


マインドフルネスを行うグループでは、8週間のマインドフルネスに基づくストレス低減法のプログラムを実施しました。


出産後、2歳になった子ども626人の状態について、比較を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。


・地中海式食事法を行ったグループでは、通常診療よりも認知発達の領域(β, 5.02; 95% CI, 1.52-8.53; P = .005)と社会-感情的領域(β, 5.15; 95% CI, 1.18-9.12; P = .01)で高い数値を示していました 。


・マインドフルネスを基礎に置くストレス低減法プログラムを行ったグループでは、社会-感情的領域で高い数値(β, 4.75; 95% CI, 0.54-8.85; P = .02)を示していました 。




どのようなしくみによるものかは不明ですが、これらの介入が通常診療のみよりも、胎児に対して発達促進的効果をもたらす可能性が考えられました。

 
 
 

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