◎要約:『妊娠中に親の物質障害があると出生後の健康状態に悪影響が大きく、医療コストが高くなるが、支援機関の利用により軽減される傾向がある』
今回は、妊娠中の親に物質障害があった時の、出生後の医療コストについて調べた研究をご紹介します。
出生前に物質に暴露された子どもにおける医療の必要性と経費
Health Care Needs and Costs for Children Exposed to Prenatal Substance Use to Adulthood
オーストラリアにおける研究で、妊娠中の親に物質障害があった場合(出生後に離脱症候群があった場合を含む)、なかった場合を含む約182万人が対象となりました。
20歳までの経過として、妊娠中の親に物質障害があり物質に暴露された場合には、暴露がない場合に比較して以下の内容が示されました。
・出生後の健康状態の予後が悪く、入院などの医療コストが高くなっていました(入院経費について子ども1人あたり1,585オーストラリアドル)。
・生存して退院できた場合でも、(主として呼吸状態の悪化や精神状態、行動障害を理由に)再入院が多くなっていました。
・支援機関の利用があると、再入院や医療コストが少なくなっていました。
妊娠中の物質暴露を予防するとともに、(入院が必要なほど状態が悪化する前に)支援機関との接触を保っておく必要性を感じる内容でした。
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