妊娠初期の合併症と胎盤への影響、統合失調症との関連


胎盤は人間の体内では注目されることがすくない臓器ですが、胎児と母体とをつなぐ臓器として、胎児の環境を形成する大切な機能を担っています。


今回は、統合失調症の発症に胎盤に発現している遺伝子(あるいは早期の合併症により影響を受けた結果)が大きな影響を与えているのではないかという内容の論文をご紹介します。


Convergence of placenta biology and genetic risk for schizophrenia

遺伝的リスクと胎盤機能の変化による統合失調症発症のしくみ


アメリカ国立精神衛生研究所の研究に参加している統合失調症に罹患した234人と対照として267人が調査の対象となりました。


妊娠中の経過や遺伝子サンプルの解析を含めた調査が行われ、非常に大まかに言って以下の結果が示されました。

①早期の合併症があった場合には、多遺伝子リスクスコア(ある病気になる傾向を複数の遺伝子変異から計算したもの)によって統合失調症発症の説明される割合が5倍になる。

②その遺伝的リスクの参考にされる遺伝子セットは胎盤に、特に男性において多く発現している。


つまり、妊娠中の合併症(統合失調症のリスク遺伝子と相互に影響)⇒胎盤の異常(特に男性に多い)⇒統合失調症発症 という影響関係がありそうだという結果でした。


なかなか、しくみまでは分かりづらいようですが、現在のところ免疫システムへの影響が想定されているようです。


統合失調症のみではなく、自閉症スペクトラム等の男性の方が多い精神疾患の原因を探る方向性として胎盤への着目という新しい視点の研究でした。


#統合失調症 #妊娠


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