◎要約:『子どもにおける認知能力と精神症状との関連は、症状の種類や重症度によっても異なり、軽度のうつ症状等においては認知能力が高い方が症状も強い可能性がある』
今回は、子どもにおける認知能力と精神症状との関連を調べた研究をご紹介します。
子どもにおける精神症状、認知、症状の重症度
Psychiatric Symptoms, Cognition, and Symptom Severity in Children
アメリカにおける研究で、初回の評価時で9~11歳の子ども5,175人(平均10.9歳、52.4%が男性)が対象となりました。
初回が9~11歳で、その後2年以上の期間を開けて2回目の評価を行い、認知能力と精神症状に関する経過観察を行っています。
結果として、以下の内容が示されました。
・認知能力と精神症状の関連は一貫した関連を示しておらず、精神症状の種類や程度によって異なっていました。
・重症度が「低い」場合の内在化症状(外に向かうのではなく、内在するうつ等の症状)においては認知能力が「高い」方が精神症状も「強い」傾向がありました( higher cognition = more symptoms)。
・重症度が「高い」場合の内在化症状においては認知能力が「低い」方が精神症状が「強い」傾向がありました。
症状の程度によって、認知能力の関連の仕方が変わる点が興味深い結果となっていました。
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