◎要約:『小学校において自然学習を取り入れた場合の、精神的健康に対する効果は明らかではなかった』
今回は、アメリカの小学校で行った自然に接する学習の効果を調べた研究をご紹介します。
A Nature-Based Intervention and Mental Health of Schoolchildren
A Cluster Randomized Clinical Trial
学童に対する自然に基づく治療(介入)と精神的健康
アメリカの33の小学校(53人の教師、1015人の生徒、平均10.9歳、50.7%女性)が対象となりました。
1週間に2時間、12週間にわたって自然に接する学習を行い、精神的健康に関して通常学習を行った場合との比較を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・精神的健康(外在化・内在化症状や社会関係に関する症状)を調べる尺度で、自然学習と通常学習との違いは明らかではありませんでした。
・精神的健康度が元来低い(精神的問題の多い)生徒を対象に行なった別の分析では、自然学習を行った場合のほうが、症状の改善が大きくなっていました。
一部の対象では有効性を否定できないこと、1週間に2時間という制限や効果の判定期間を考えると、一概に自然学習の効果が少ないと解釈することはできないと思われました。
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