◎要約:『(年代にもよるが)子ども時代のうつ状態が20歳以降の精神状態や社会的環境と関連している可能性がある』
今回は、子ども時代や思春期にうつ症状が認められた時に、20歳頃の精神状態に関連するかを調べた研究をご紹介します。
児童思春期のうつ症状と青年期の精神状態と心理社会的転帰
Childhood and Adolescent Depression Symptoms and Young Adult Mental Health and Psychosocial Outcomes
カナダのケベック州における研究で、1997~1998年に生まれた子ども2,120人が対象となり、21歳までの経過を追っています(現在も経過観察は進行中)。
1.5~6歳は親の、7~12歳は教師の、13~17歳は本人のレポートを元にうつ症状を調べ、20歳以降の精神状態との関連を検討しています。
結果として、以下の内容が示されました。
・13~17歳のうつ状態が20~21歳における高いうつ状態・自覚的ストレスと関連していました。
・7~12歳、13~17歳のうつ状態が21歳における社会的支援の減少と関連していました。
子ども時代の精神状態悪化に対してケアや環境調整を早期に行うことで、その後の長期的な予後を改善できないかと考えられる内容でした。
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