頭痛にも様々なものがあり、「片頭痛」と言われるものについては血管の拡張や三叉神経の炎症が関与していると言われていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
しかし、拍動するような強い頭痛が数時間続くこともあり、日常生活に深刻な影響を与えることも少なくありません。
今回は、子どもの時期に虐待などの逆境体験がある場合に、頭痛の種類に影響があるか調べた研究をご紹介します。
「マルトリートメント(不適切な関わり)」と片頭痛、緊張性頭痛
頭痛を持っている参加者(片頭痛8,305人、緊張性頭痛1,429人)について、過去の逆境体験の聞き取りを行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
①逆境体験がある割合が、緊張性よりも片頭痛の方で多くなっていました。
(例:心理的虐待で、片頭痛22.5% vs 緊張性16.7%)
②片頭痛/緊張性頭痛の割合が、逆境体験があると高くなっていました。
(例:心理的虐待で、1.46倍)
しくみまでは分かりませんが、上記のような結果から、逆境体験のもたらす心理的な影響が長期に渡り身体的にも影響を与えている可能性が考えられました。
上記の影響は、うつ症状や不安の存在について統計的に調整を行うと軽減することから、介在する要因として精神疾患の影響もあり得る結果でした。
子ども時代の体験が、精神や身体の領域に広範な影響を与えている可能性を検討する必要があると思われました。
#児童思春期
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