安息香酸ナトリウムの投与が精神病性の疾患に有効であるという指摘があります。
しかし、これは慢性期における結果だったので、初期の段階でも有効か調べたのが、今回ご紹介する研究です。
初期精神病における安息香酸ナトリウムの効果
初期の精神病に罹患した100人(平均21.4歳、73%が男性)が研究の対象となりました。
安息香酸ナトリウムを朝夕500mgずつ投与し、12週間の結果(主としてPANSS:一般的な症状尺度を指標)を調べました。
結果として、副作用はなかったものの、偽薬との明らかな違いは見いだされませんでした。
つまり、現在のところは慢性期とは異なり、初期の精神病に安息香酸ナトリウムが有効な証拠はないということになります。
用量や対象となる集団によっても異なる場合があり、これが結論というわけではありませんが、有効性について慎重に判断したほうが良いと思われました。
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