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家庭における集中治療で入院日数を減らすことができるか?


精神科医療では、入院を減らして、できるだけ地域で生活することが大切な課題の一つとなっています。


今回は、精神症状の悪化があったとき、一般的な入院(その後は通常の自宅療養・通院治療)を行った場合と、家庭における集中治療を選択した場合で、入院日数に差が生じるのか調べた研究をご紹介します。


The effectiveness of intensive home treatment as a substitute for hospital admission in acute psychiatric crisis resolution in the Netherlands: a two-centre Zelen double-consent randomised controlled trial

精神医学的危機介入における集中的自宅療養の入院代替的有効性


オランダの2つの施設を対象とした研究で、精神医学的危機に対する治療を求めた16~65歳の246人が参加しました。


ここで言う“集中的自宅療養”とは、多職種が連携して個別に計画を立案し、薬物療法、日に3回までの訪問、心理的教育、短期的支持的精神療法、認知行動療法、ケースワーク等を含む療法を意味します。


集中的自宅療養を行う183人と入院治療(その後は通常の自宅療養)を行う63人に振り分け、入院の日数にどのような影響が出るのかを調べました。


精神疾患の構成は、両方のグループで一番多かったのが気分障害、その後に精神病性疾患(psychosis)、パーソナリティ障害、不安障害が続いていました。


結果として、以下の内容が示されました。


・集中的自宅療養ではその後1年の経過で入院日数が減少していました(集中的自宅療養42.47 vs 通常治療67.02)


・入院した患者数の割合や長期間でみた症状の程度(簡易な精神症状尺度であるBPRSのうつ・不安の評価)等には明らかな違いを認めませんでした。


要約:『精神症状悪化で集中的自宅療養を選択した場合、その後の入院日数は少なくなるかもしれないが、症状の程度を改善させて入院の割合を減らすような明らかな効果については不確実である』


ここで述べられている集中的自宅療養には多くの人員と労力が必要と思われますが、入院減少の効果等がさらに証明されることが期待されました。


もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

rTMS治療:

YouTubeチャンネル(オンライン講座):https://www.youtube.com/channel/UCd8RS50q_Ol_x82AL9hhziQ



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