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◎要点:『小児のPTSDに対する心理療法の多くは有効だが、特にトラウマに焦点化した認知療法の効果が大きいかもしれない』
今回は、小児のPTSD(心的外傷後ストレス症)に行われている心理療法について、効果を検討した複数論文の分析(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Psychological Interventions for Pediatric Posttraumatic Stress Disorder
A Systematic Review and Network Meta-Analysis:
小児のPTSDに対する心理療法
今回の分析では、小児のPTSDに対する心理療法の効果を調べた研究(ランダム化比較試験)に関する論文70本(5,528人の参加者を含む)が対象となりました。
分析に含まれている心理療法には主として以下のものがありました。
・トラウマに焦点化した認知療法:trauma-focused cognitive behavior therapies (TF-CBTs)
・眼球運動による脱感作と再処理法という心理療法: eye movement desensitization and reprocessing (EMDR)
・各分野の専門家やチームが関わる就学的治療法:multidisciplinary treatments (MDTs)
・トラウマに焦点を当てない治療法
結果として、以下の内容が示されました。
・いずれの治療法でも、何も行わない対照群よりも、大きな症状の軽減を認めていましたが、特にトラウマに焦点化した認知療法の効果が(短期・中期・長期のいずれにおいても)大きくなっていました。
・EMDRや集学的治療も短期的効果は認められましたが、中長期に関しては結果が資料が不足していました。
・トラウマに焦点を当てていない治療法よりは、焦点を当てた認知療法の方が有効である傾向がありました。
PTSDに関する相談で、トラウマに触れることが症状を悪化させないか懸念されることがありますが、今回の分析ではむしろ体験に焦点を当てて認知的なアプローチを行うことが有効であるという結果でした。
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