◎要約:『思春期の年代では大麻使用による精神病性疾患のリスク上昇が10倍以上となる』
今回は、年齢別にみた大麻と精神病性疾患(症状)の関連を調べた研究をご紹介します。
年齢による大麻と精神病性疾患の関連
Age-dependent association of cannabis use with risk of psychotic disorder
カナダにおける研究で、12~24歳の11,363人が対象となりました。
大麻の使用と、精神病症状・疾患(幻覚や妄想など、統合失調症類似の症状を主な特徴とした状態)による入院・救急受診・外来受診との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・12~19歳においては大麻使用と精神病症状とが大きな関連を示していました(調整後ハザード比:11.2倍)。
・20歳以上の年代では上記のような精神病症状の明らかな増加はありませんでした。
・入院と救急受診のみに限定すると、さらに差は明らかとなりましたが(調整後ハザード比:26.7倍)、20歳以降ではこのようなリスク上昇はありませんでした。
結果に関して、以前よりも大麻の効力が大きくなっていること、年齢に関しては神経の発達期であることが影響しているのではないかと推測されていました。
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