幻覚剤による体験と脳の機能パターンとの関連


幻覚剤による体験は多様で、自我の拡張する感覚、時間や空間の歪曲、視覚や聴覚的体験の変容等が知られています。


今回は、非常に多様な幻覚剤による体験を脳の受容体機能との関連性で分析した研究をご紹介します。


Trips and neurotransmitters: Discovering principled patterns across 6850 hallucinogenic experiences

トリップ体験と神経伝達物質: 6,850の幻覚剤体験でみる原理的パターンの発見


精神作用物質について研究している Erowid Centerのデータベースから6,850の幻覚剤に関するレポートが集められました。


レポート内の幻覚体験を形容する14,410の語彙が特定され、26種類の幻覚剤による体験と約40の神経伝達物質結合部位との関連性を脳内に3Dマッピングしました。


結果として、様々な幻覚体験には、体験の種類により、特有の機能パターン(神経伝達物質受容体の働きと幻覚体験との対応)が存在することが示されました。


例の一部として、以下のようなものがあります。

・自我の解体現象には、セロトニン(5-HT2Aを中心に 5-HT2C, 5-HT1A, 5-HT2B)、アドレナリン a2A ,b2、ドーパミンD2受容体が関与。

・時間と空間の移動体験や自己の構造変化体験はドーパミンによる覚醒ネットワーク、オピオイド受容体が関与。

・幻聴体験は聴覚野全体に渡るの多種類の受容体が関与。


つまり、“ある受容体を刺激すると特定の幻覚体験を惹き起こすような、受容体-体験の対応関係があるのかもしれない”と言えそうです。


今後、ある病的体験を抑制したりする目的でも参考になる結果であると思われました。


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