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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

幻覚剤使用と精神病症状・躁症状

◎要約:『幻覚剤の使用は幻覚などの精神症状を増加させず、躁症状についても、幻覚剤の使用そのものよりは遺伝的傾向が関連する可能性がある』





物質使用の障害(アルコールの乱用や大麻・覚醒剤等の使用)と他の精神症状との合併が、しばしば認められます。


今回は幻覚剤(Psychedelic)の使用と精神病症状(幻覚や妄想)、躁症状との関連を調べた研究をご紹介します。


Adolescent Psychedelic Use and Psychotic or Manic Symptoms

思春期の幻覚剤使用と精神病症状・躁症状


スウェーデンにおける研究で、遺伝的な要素を調整するために双子16,255人(年齢15、18、24歳で評価)を対象としています。


結果として、以下の内容が示されました。


・対象者のうち541人で幻覚剤の使用を認めました。そのうち99%では他の薬剤(大麻、中枢刺激薬等)の使用を認めました。


・他の薬剤の使用について調整したところ、幻覚剤の使用は精神病症状の低下と関連を示していました。


・幻覚剤の使用と躁症状は関連を示していましたが、これは遺伝的な傾向(統合失調症や双極症へのなり易さ)を反映していました。




今回の結果からは、幻覚剤の使用が、症状とのしての幻覚を引き起こすという直接的な因果関係について否定的である内容でした。


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