知能指数について、人種間で違いを認める等、変更の余地がないと思われる点もあるかもしれません。しかし、その違いも同時に存在する、変更できる要因がもたらしている可能性もあります。
今回は、6~7歳の知能テストの結果に影響を与えている変更可能な環境的要因を検討した研究をご紹介します。
幼少期の知能に影響する変更可能な社会・行動上の要因
1055組の母子(子の50.4%が男性、母は平均26歳、64.1%が黒人)が研究の対象となりました。
変更が可能な24の要因について調べ、知能テストの結果との関連を調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
①関連のあった要因のうち、特に両親の教育と母乳保育の影響が大きくなっていました(1.0SDの差)。他にも、母子相互交流の促進や母の読字能力が良い影響を与えていました。
②ネガティブな影響を与えているものとしては両親のストレスがありました。
上記のような結果を踏まえて、すべてのポジティブな条件をそろえ、ネガティブな条件をなくしたいと思っても、なかなかうまくいかないかもしれませんが、せめて世代間でストレスの影響が広がるのは避けたいと思いました。
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