様々な炎症の所見が認知能力の低下と関連しているという指摘があります。
今回は、原因がはっきりしないものも含めて、広い範囲の慢性的な痛みが認知症や脳卒中(脳血管の出血や梗塞の発作)と関連するか調べた研究をご紹介します。
広範囲の痛みと認知症、アルツハイマー病、脳卒中の関連
アメリカのFramingham Heart Studyという大規模な調査の資料を元にした研究で、広範囲の痛みがある347人と痛みのない比較としての2,117人が対象となりました。
認知症や脳卒中の発症率を比べると、痛みがない場合と比較して、広い範囲の痛みがある場合には
①原因を特定しない認知症全般で43%増加
②アルツハイマー病で47%増加
③脳卒中で29%増加
つまり、“痛みが広い範囲で続く場合には、その後に認知症や脳卒中になることが多くなるかもしれない”ということです。
直接的な因果関係ではなく、間接的な要因を含んでいそうな結果ですが、広い範囲の慢性的な痛みは様々な疾患の前兆となっている可能性が考えられました。
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