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執筆者の写真もりさわメンタルクリニック

循環器の危険因子があると中年期の認知機能が低下する?


昨日は、50歳代の高血圧と4年間の認知機能低下について検討した研究をご紹介しました。高齢期からではなく、比較的若い年代から血圧は低く保った方が良い(高齢期に血圧が低過ぎるとかえって認知機能が低下するという指摘もあります)という結果でした。


今回は、喫煙などの循環器系の様々な危険因子について、その有無がどのように中年期からの認知機能に影響するかを調べた研究をご紹介します。


中年期における循環器系の危険因子と認知機能低下の進行


平均50.2歳の2,675人(女性57%)が研究の対象となりました。


それぞれの危険因子についての割合は、高血圧31%、糖尿病11%、肥満43%、高コレステロール9%、喫煙15%となっていました。


認知能力として、記憶、遂行能力、処理速度を調べ、5年間の経過をみました。


結果として、以下の内容が示されました。

①喫煙、高血圧、糖尿病は認知機能の低下と関連しましたが、肥満と高コレステロールは関連がありませんでした。

※認知機能低下リスクの目安となるオッズ比は、喫煙1.65倍、高血圧1.87倍、糖尿病2.45倍

②危険因子が増えるほど、認知機能低下が起こりやすい可能性を示していました。

※危険因子が1~2個では1.77倍、3個以上では2.94倍


つまり、循環器系の危険因子を少なくしたほうが、50代から認知機能を保ちやすいということになり、行動の指針としては、できれば禁煙を行い、高血圧と糖尿病には気をつけたほうが良さそうです。

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