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循環器疾患のリスクに対する兄弟姉妹死亡の影響

執筆者の写真: もりさわメンタルクリニックもりさわメンタルクリニック



近親者等を亡くすことによる喪失体験からうつ病のリスクが高まることが指摘されてきました。


今回は、人生の早期に兄弟姉妹を亡くすことで心筋梗塞などの循環器疾患のリスクにどのような影響があるかを調べた研究をご紹介します。


Sibling Death in Childhood and Early Adulthood and Risk of Early-Onset Cardiovascular Disease

循環器疾患のリスクに対する兄弟姉妹死亡の影響


デンマークにおける研究で、1978~2018年に生まれた約200万人が対象となりました。


兄弟姉妹が子ども時代や成人早期に亡くなった場合に、循環器疾患のリスクを調べました。


結果として、以下の内容が示されました。


・死亡を経験した場合には、そうでない場合に比較して、循環器疾患全体のリスクが17%増加していました。


・疾患別で影響は異なっていました。例:心筋梗塞(1.66倍)、その他の虚血性心疾患(1.52倍)、心不全(1.50倍)


・兄弟姉妹が循環器疾患で亡くなっている場合(2.54倍)、循環器疾患以外で亡くなっている場合(1.13倍)、双子だった場合(1.25倍)、年少で亡くなった場合(1.25倍)等、疾患や年代などで違いが認められました。


要約:『兄弟姉妹を早期に亡くした場合、(原因が循環器疾患である場合以外でも)循環器疾患のリスクが高くなる』


双子の場合や循環器疾患で亡くなった場合については、遺伝的な要素が大きいと思われましたが、様々な条件で広い範囲の影響が出ていることが感じられる内容でした。

 
 
 

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