うつ病に対する心理療法と薬物療法の効果比較


日本では実施できる病院やクリニックは少ないですが、欧米ではガイドライン上も認知行動療法をはじめとした専門的心理療法療法の優先順位が高く、患者さんも薬物療法よりは心理療法を好む傾向があるようです。


今回は、ネットワーク・メタアナリシスという手法で、複数の研究から広範囲に心理療法と薬物療法のうつ病に対する効果を比較した分析を紹介します。


Psychologic Treatment of Depression Compared With Pharmacotherapy and Combined Treatment in Primary Care: A Network Meta-Analysis

うつ病に対する心理療法と薬物療法・併用療法の効果比較


9,301人の参加者を含む58の論文が分析の対象となりました。


主な指標としては50%の症状軽減が得られたたら治療の効果があったと考える奏効率を比較しました。


結果として、以下の内容が示されました。

①心理療法と専門的薬物療法は、両方とも通常の治療や無治療よりも明らかに効果的でした。(心理療法/通常ケア:1.6倍、専門的薬物療法/通常ケア:1.65倍、心理療法/無治療:2.35倍、専門的薬物療法/無治療:2.43倍)

②心理療法と薬物療法の効果の差は明らかではありませんでした。

③心理療法単独よりも薬物療法を併用したほうが効果が高くなっていました。(1.35倍)

④薬物療法単独よりも心理療法を併用したほうが効果が高くなっていました。(分析の対象をバイアスの少ないものや認知行動療法に制限した場合)


つまり、“専門的心理療法は専門的薬物療法と同じくらいうつ病に有効で、両者を併用するとさらに効果が高い”と言えそうです。


ネットワーク・メタアナリシスの場合、必ずしも直接比較ではないので、研究の一貫性が気になるところですが、心理療法(特に認知行動療法)の効果について参考になる結果であると思われました。

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