心理的教育や心理療法を意図したアプリケーションソフトが多数存在しますが、玉石混交でその有益性には大きな差があるようです。
元々はゲーム的ではないものに、ゲーム要素を取り入れることを“ゲーミフィケーション”と呼び、教育等の領域に取り入れられていますが、今回は、心理的教育にゲーミフィケーションを用いた場合の効果について調べた研究をご紹介します。
精神的回復力を高め、脱落を少なくするためのゲーミフィケーション活用
358人の参加者を3つのグループ(ゲーム的スマートフォンアプリ、通常の認知行動療法スマートフォンアプリ、何もしない)に分けて、5週間の経過を観察しました。
初日、17日目、35日目で調査を行った結果として、以下の内容が示されました。
①ゲーム的アプリの方が、精神的回復力、精神的成長、ポジティブな対人関係等において成果が大きくなっていました。
②ゲーム的アプリでは90%のアドヒアランス(治療内容に関する積極的遵守)が保たれ、他のグループよりも21%多くの参加者が得られました。
つまり、ゲーム的要素を取り入れたスマートフォンアプリのほうが、ゲーム要素のないものよりも、効果が大きく、脱落が少ないと言えそうです。
内容によってはゲーム的要素を取り入れることに議論があるかもしれませんが、教育的効果を考えると興味や集中が保ちやすい点で、ゲーム的素材が有利である可能性が考えられました。
#ゲーミフィケーション
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