昨日は、若年者のPTSDについて、心的外傷に関する認知が発症に影響を与えることをお伝えしました。
今回は、心的外傷に関する認知尺度が、PTSDの症状とどのように関連するのかを調べた研究をご紹介します。
A Community Study on the Relationship of Posttraumatic Cognitions to Internalizing and Externalizing Psychopathology in Taiwanese Children and Adolescents
台湾の児童、思春期若年者における心的外傷の認知と内在/外在の心理的病理の関連についての研究
心的外傷に関連する症状を訴える9~17歳の285人(160人が女性)が対象となりました。
心的外傷後の認知に関する尺度 Chinese version of the Child Posttraumatic Cognitions Inventory (CPTCI-C)を用いて、心的外傷に関するとらえ方や自己や環境に関する評価等と、PTSD症状、うつや不安等がどのように関連しているのかを調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・心的外傷に関する認知でネガティブな要素(maladaptive appraisals 不適応的評価 )が多いと、うつ等の内在的症状や行動面への外在的症状が悪化していました。
・心的外傷に関する認知の悪化は、長期的なPTSDの重症度にも影響を与えていました。
要約:『心的外傷体験についての認知が、その後の症状に影響を与えるかもしれない』
心的外傷の原因とともに、自己や自己を取り巻く世界に対する見方が、心理的状態に影響を与えている可能性が分かる内容でした。
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