◎要約:『デンマークにおける最近の精神疾患の傾向として、ほとんどの精神疾患では増加傾向だが、性別や年代によって変化の傾向に違いがある(例:女性における統合失調症やパーソナリティ障害の増加傾向)』
今回は、精神疾患について最近の発症の傾向を調べた研究をご紹介します。
Mental Health Disorder Trends in Denmark According to Age, Calendar Period, and Birth Cohort
デンマークにおける年齢、時期、年齢ごとの精神疾患の傾向
デンマークの疾患登録を元にした研究で、時期として2004~2021年、年齢として1~80歳の人々(男女ともに約300万人)が対象となりました。
結果として、以下の内容が示されました。
・精神疾患全体の発症率は55.27/10,000人年で若い世代、全体的に増加の傾向がありました。
・ほとんどの種類の精神疾患は増加の傾向にありましたが、減少傾向の疾患もありました(例:物質障害)。
・一部の精神疾患では性別による発症率の傾向の差異が認められました(例:統合失調症について、若い世代で女性の発症率が増加傾向にありましたが、男性では変化がありませんでした)。
・パーソナリティ障害については、女性において大きな増加を示しており、男性ではわずかに減少していました。
議論の中では、診断過程や、健康管理部門の対応力、疾患ごとの危険因子の変化等が、要因として考えられるととの指摘がありました。
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