感情をきっかけとする食行動はGLP-1受容体作動薬でも抑えにくい?


GLP-1受容体作動薬(リラグルチド等)は、血糖値が高い場合にインスリンの分泌効果を認め、2型糖尿病に効果のある薬として知られています(インスリンの代替にはならない)。


日本では、糖尿病のみを対象として使用が認められている薬剤ですが、一部では食欲抑制の効果を期待したダイエット目的での処方が行われており、その使用方法の適正化が議論されています。


今回は、このGLP-1受容体作動薬について、薬剤使用前の食行動の特徴がどのように効果に影響するのか、脳の反応から調べた研究をご紹介します。


Eating behavior modulates the sensitivity to the central effects of GLP-1 receptor agonist treatment: a secondary analysis of a randomized trial

食行動がGLP-1受容体作動薬の効果に影響を与える:ランダム化試験の二次的分析


肥満と2型糖尿病のある人を対象として、GLP-1受容体作動薬とインスリングラルギンを用いたクロスオーバー試験(今回の場合は使用される薬剤を途中で入れ替えて反応を調べた試験)が行われました。


最初に食行動に関する特徴を調べ、12週間の治療でどのように食物の画像に対する脳の反応が変化したのか、機能的画像検査を用いて調べました。


結果として、食行動の影響の例として以下の内容が示されました。

①空腹から食べるのではなく、ストレスなどの感情的要因で摂食行動が惹き起こされる感情的摂食(emotional eating)の傾向が強い場合には、GLP-1受容体作動薬で認める食物の画像に対する反応の低下という効果が少なくなっていた。

②食物に関する嗅覚や視覚的要素等がきっかけとなって食行動が惹起される外因的摂食(external eating)の傾向が強い場合、感情的摂食と同様に、GLP-1受容体作動薬の効果が少なくなっていました。

③制限を行うことが摂食を惹き起こすパターンの制限的摂食(restraint eating)では、GLP-1受容体作動薬の効果が高くなっていました。


つまり、“治療前の食行動の特徴(何が摂食のきっかけになっているか)によって、GLP-1受容体作動薬の食行動抑制効果は影響を受ける可能性がある”と言えそうです。


特に感情的要因が大きい場合には、生理的なアプローチが効果を発揮しにくい可能性が考えられました。

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