以前から感染症による免疫反応が「精神病」の発症に関与するのではないかという議論があります。
今回は、アルコール等の物質使用によって惹き起こされた精神病が、重い感染症を経験した場合で増加するかを調べた研究をご紹介します。
物質関連精神病後の予測因子としての感染症
デンマークにおける研究で、物質関連精神病の3,618人を含む約200万人のデータが分析の対象となりました。
結果として、以下のことが分かりました。
①あらゆる感染症が物質関連精神病のリスクと関連している。(1.3倍)
②感染症後の2年間は特にリスク上昇が著しい。(2倍)
③肝炎が最も物質関連精神病の発症に関連していた。(3.42倍)
④肝炎のみが物質関連精神病⇒統合失調症への移行と関連していた。(1.87倍)
つまり、重い感染症に罹った後のほうが、精神病症状の発症が多くなるようです。
これらは統計を分析した上での単なる関連でしか無いので、因果関係を証明したものではない点に注意が必要です。
しかし、以前から言われている統合失調症の発症の背景に免疫システムの異常がある可能性について等、想像の広がる内容であると思われました。
#統合失調症
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