精神科・心療内科では、他の科では治療効果の乏しかった頭痛の治療を行うことがあり、その中でも緊張型頭痛は大きな割合を占めます。
今回は、慢性の緊張型頭痛に対する鍼治療の効果を調べた研究をご紹介します。
Acupuncture for Patients With Chronic Tension-Type Headache: A Randomized Controlled Trial
慢性緊張型頭痛に対する鍼治療
慢性の緊張型頭痛(平均罹病期間130日、月当たりの頭痛がひどい日平均21.5日)に罹っている218人(平均43.1歳)が対象となりました。
本来の治療効果を得るために深部まで刺す場合を真の鍼治療とし、表面までの刺入を偽刺激として8週間の治療を行い、16週間後と32週後の効果比較を行いました。
結果として、以下の内容が示されました。
・16週後、32週後の両方とも、鍼治療が偽の刺激よりも治療反応率(50%以上頭痛が軽減した人の割合)が多くなっていました(16週で鍼治療68.2%/偽刺激48.1%、32週で鍼治療68.2%/偽刺激50%)。
・頭痛がひどい日についても鍼治療のほうが大きく減っていました(16週で鍼治療-13.1日/偽刺激-8.8日、32週で鍼治療-14日/偽刺激-9.5日)。
要約:『深部に達する鍼治療は慢性の緊張型頭痛に有効で、頭痛の程度や頻度がかなり少なくなる』
頭痛薬を使いすぎるとかえって薬剤誘発性の頭痛が起こることもあり、このような治療へのアクセスが容易だと有り難いと感じました。
もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/
rTMS治療:
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